エクオールはどこで作られる?作れない人がいるのはなぜ?

エクオールは女性ホルモンと同じような働きを持ち、女性に嬉しい様々な健康効果を作り出してくれます。しかし、私たちの中にはエクオールを「作れる人」「作れない人」がいるのです。

エクオールは何から、どこで作られるのでしょうか?そしてなぜ、エクオールを作れない人がいるのでしょうか?

エクオールはどこで作られるのか?

みなさん、「大豆イソフラボン」という成分はご存知でしょうか?大豆に含まれるこの成分は女性ホルモンであるエストロゲンと非常に似た構造を持ち、更年期障害緩和や骨密度維持など、女性ホルモンと同じような働きを持っています。また、男性にも健康効果が高いから、サプリメントなどでも販売されています。

この大豆イソフラボンの持つ女性ホルモン的な働きを担っているのが、このエクオールです。エクオールは大豆イソフラボンの1種である「ダイゼイン」という成分が、代謝によって変化して生まれます。

では、ダイゼインがエクオールへと変わるのは、どこで起こるのでしょうか?それは「大腸」です。大腸には100兆〜1000兆という、信じられないほどの量の細菌がいると言われています。その中のエクオール産生菌と呼ばれる腸内細菌が、ダイゼインからエクオールを作ることがわかっているのです。

日本人はエクオールを作るのが上手?

エクオールを作れる人、作れない人の境目は、このエクオール産生菌がちゃんと活動しているかどうかにあります。では、実際にエクオールを作れる人というのは、どのくらいいるのでしょうか?

日本疫学会という団体が発表した2014年のデータでは、日本人でエクオールを作れる人は、およそ43%という結果が出ました。つまり、日本人の2人に1人が大豆イソフラボンからエクオールを作ることができないという結果だったのです。

ただし、世界的に見ると、この数字は優秀だということがわかります。というのも、同じ調査を欧米の人々に行うと、エクオールを作れる人は20%〜30%ほどに止まるのです。

日本を中心としたアジアでは、昔から伝統的に大豆を食べる習慣がありました。そのことが、腸内環境を優位に働かせているのかもしれませんね。

若い世代を中心に、エクオールを作れない人が増えている

しかし、この日本人のデータにはちょっとした落とし穴があります。というのも、日本人の中でも、若い世代を中心にエクオールを作れない人が多くなっているというデータがあるのです。

その境目となるのは、およそ70代の方々。それよりも若い世代になると、次第にエクオールを作れる「エクオール産生者」の割合が減ってしまいます。20代になると、欧米人とほぼ変わらないレベルまで落ちてしまうのです。

エクオールが作れない世代に共通するのは、食習慣の変化です。厚生労働省が行なっている「国民健康・栄養調査」の結果では、50代を境に、大豆など豆類を摂取する人の割合が急激に減ってしまいます。

肉食中心の生活で大豆を食べる量が少なくなったことが、腸内環境に悪影響を与えているのではないかというのが、大きな原因と考えられています。また、腸内細菌の栄養分として知られる食物繊維の摂取量も、若い世代には少ないのも原因の1つとされています。

腸内環境を整えるのは大変!サプリメントで補うのも有効

腸内環境というのは、長らく繰り返されてきた生活習慣で蓄積されたものです。それを今から変えたとしても、エクオールが生産されるには時間がかかります。

最近では、エクオールをサプリメントで直接摂取する人も増えています。現時点で体の不調、更年期などに悩まされている方は、直接エクオールを取り入れることで体調改善を図るのも有効ではないでしょうか?