日本には納豆・豆腐・味噌・醤油など、非常に多くの大豆食品が存在します。そんな大豆に含まれるイソフラボンには女性ホルモンのエストロゲンと同じ作用があるということで、健康食品としても大きな注目を浴びています。
同じくエストロゲンと同じ作用を持つと言われるエクオール。実はエクオールは、このイソフラボンと密接な関係があったのです。
イソフラボンってそもそも何?
イソフラボンは「大豆イソフラボン」とも言われている通り、大豆に含まれているポリフェノールの1種のことを指します。イソフラボンは大豆の芽や根の素が入っている「胚芽」に集中していると言われます。その内容量は、大豆の0.2〜0.3%と決して多くはありません。
2種類のイソフラボン
このイソフラボンは、大きく2つの種類に分類されます。それは、「グリコシド型イソフラボン」と「アグリコン型イソフラボン」。
2つのイソフラボンの決定的な違いは、グリコシド型には糖が結合していて、アグリコン型には糖が結合していないという点にあります。
糖が結合しているということは、1つあたりの分子が大きくなるということです。分子が大きくなると、栄養の消化吸収がしにくくなるというデメリットがあります。そのため、効率的にイソフラボンを摂取するには、分子が小さく消化吸収しやすいアグリコン型を多く含む食品を食べるのがオススメです。
ちなみに、アグリコン型を多く含む食品の代表はお味噌。ただ、日本食は塩分が多いという特徴があります。お味噌など食事だけでイソフラボンを取ろうとすると、他の栄養分が偏ってしまうという懸念があるようです。
アグリコン型はさらに3種類に分類される
さて、このアグリコン型イソフラボンも、大きく3種類に分類されます。それが「ダイゼイン」「グリシテイン」「ゲニステイン」です。実はこの3つには、エストロゲン様作用の働きに個性があります。
このうち、エストロゲン様作用が強いのはゲニステイン。それに次いでダイゼイン、グリシテインと続きます。ただし、作用が穏やかで健康効果としても優れているという点から、ダイゼインの摂取が推奨されています。
ダイゼインを代謝して生まれたのが「エクオール」
エクオールは、エストロゲン様作用の効果の高さから「スーパーイソフラボン」と呼ばれることがあるようです。しかし、これはちょっと誤解があります。エクオールというのは、実はイソフラボンの代謝物のことを指すのです。
体内に入ったイソフラボンの中のダイゼインは、大腸にいる腸内細菌によって代謝され、その結果エクオールという成分へ変化します。
「じゃあ、大豆をたくさん食べればエクオールも作られて、エイジングケアや体調不良の改善に繋がるの?」
しかし、ダイゼインからエクオールを作り出すことのできる腸内細菌が活発に働いているのは、日本人の2人に1人と言われています。若い世代になるほど、その数は少ないのです。
つまり、腸内細菌が活発ではない人の場合、どんなに大豆イソフラボンを摂取しても、そこからエクオールを作ることができないということになります。
エクオールを作るには食生活やライフスタイルの改善などが挙げられますが、食事だけでなくサプリメントを通じて、必要なエクオールを摂取することも重要とされているのです。
サプリメントで不足しているエクオールを補おう
イソフラボンからエクオールが生まれるメカニズムをご紹介しました。1日に摂取したいエクオールの量は、およそ10mgとされています。しかし、食習慣や吸収率の問題で、実際に摂取できているエクオール量は3mg程度と言われているのが現状です。
不足分をサプリメント補うことで、若々しい毎日を送ることが大切と言えるでしょう。