春夏になるとリネンの服を目にしますよね。リネンの服は春夏限定と思われがちですが、実は秋冬も着ることできます。1年中着回すことができれば最強アイテムになり、コスパもいいですよ。
とは言え、「リネンの服を1年中着られるなんて信じられない」と思う方もいるでしょう。通年着る習慣が浸透していないのは、素材のイメージもあるかもしれません。今回はリネンの服が1年中着られる理由、着回すコツなどをご紹介します。
目次
リネン服は4つの理由があるから1年中着られる
リネン服は1年を通して着られますが、秋冬コーデに取り入れている方は少ないかもしれません。オールシーズン着られる秘密は繊維にあり、4つの理由が関係しています。
空気循環を変えて涼しく暖かく着る
リネン服を1年中着られる理由は「通気性」、「保温性」に優れているからです。リネンの繊維の中は空洞で、服の着こなし方によって空気の通りを変えることができます。
空気の通りを良くすると熱を逃がして涼しくなり、反対に空気を滞留させると熱がこもって暖かいです。
優れた吸収と速乾で1年中快適
もう1つ、リネン服を1年中着られる理由があります。リネンは抜群の「吸収性」、「速乾性」を兼ね備えており、吸収力は綿と比較すると4倍も高いです。吸収した水分は繊維の空洞に溜まりますが、通気性がいいため乾きもスムーズになります。
秋冬のリネン服が暖かく着られるのは吸収力もポイントです。夏のように大量の汗をかくことはなくても、微量の汗はかいています。微量の汗は保湿性を高めて、ほど良い湿度は保温力もアップさせるため、秋冬でも快適に着ることができますよ。
ペクチンが不快な臭いや汚れを防ぐ
同じリネン服を1年通して着ると、臭いや汚れが気になる方もいるでしょう。リネンはペクチンと呼ばれている成分が含まれており、菌の増殖や汚れを防ぐ効果があります。
梅雨時や夏にヘビロテしたリネン服も、菌や汚れを防いでくれるため安心して着られますね。
毛羽立ちを防ぎながら長く着られる
リネンに含まれているペクチンは、生地表面をコーティングして毛羽立ちを防ぎます。風合いを損ねにくいため1年を通して着られますよ。
また、リネンの繊維は耐久性にも優れており、水を含むと繊維同士が密着して強度が増していきます。
リネンと同じ厚みの綿を比較した場合は2倍、羊毛と比較すると4倍の強度があるため、繊維の丈夫さがわかりますよね。例えば1年、お気に入りのリネン服を繰り返し洗濯しても、まだまだ着られるでしょう。
リネン服を1年中着回すコツ
リネン服の1年コーデ術は気温や季節に合わせて、重ね着するのがポイントです。春夏は涼しく秋冬は暖かく着られますよ。リネン服を1年着回すコツを見ていきましょう。
夏・梅雨
高温多湿で汗をかきやすい時期は、できるだけ薄着にして風通しを良くします。パンツとトップス、ワンピース、サロペットなど全身リネン服にすると涼しいですよ。上下のうち片方だけリネン服にしてもいいでしょう。
春・秋・冬
3シーズンはレイヤードコーデで温度調節します。春や秋におすすめなのはリネンワンピースやシャツで、ボタンを開けるとアウター代わりになりますよ。
冬は繊維の中の空気を逃がさないようにしましょう。ニットやカーディガン、トレーナー、アウターなどを着て保温します。
実は違う!リネンと麻は違う植物
リネンのことを知っているようで、実はよく知らない方も多いのでは?リネンとは亜麻科の植物で、「フラックスの茎の繊維」を使用しています。
少し紛らわしいのが麻で、リネンと違い「木や草の繊維」を使用しているのが特徴です。麻は約20種あり、認知度が高いのはラミー、ヘンプ、ジュートなどではないでしょうか。
麻はリネンの親戚のような存在ですが、同じ天然素材でも繊維の性質が違います。リネンは滑らかで肌ざわりが良く、服やタオルなどに使用されるのが一般的です。一方の麻はカーペットなどの敷物、麻袋などに使用されています。
フランス産やアイルランド産のリネン服は最高品質
リネンの発祥地はアジアですが、現在、世界に流通している多くはフランス産やベルギー産です。商品タグにフランスリンネル、フレンチリネン、アイリッシュリネンと表記している服を見たことがありませんか?
フランスリンネルやフレンチリネンは、フランス産リネンのことです。上質な生地で作られており柔らかくて光沢があります。着こむほど風合いが増して、艶やかな服へと変化するのも特徴です。
アイリッシュリネンはアイルランド産で、最高クラスの品質と言われています。滑らかな質感で見た目も美しく、摩擦に強くて丈夫です。服の他にエプロンやバッグなどにも使用されています。
まとめ
リネン服は保温、通気、吸収、速乾などの機能に長けている優秀アイテムです。天然素材でお肌に優しいのも嬉しいですよね。
春夏はサラりと着て、秋冬はレイヤードコーデで暖かさをプラスするのがコツです。持っている服とリネン服を上手に組み合わせたり、お気に入りのリネン服を1年中着回して、シーズンレスコーデを楽しみましょう。