婚活パーティーで出会った人は既婚者だった。でも別れられずにズルズルと…

婚活パーティー

20代半ばのころ、学生時代から長く付き合っていた彼と別れました。
寂しい気持ちと、同僚や学生時代の友達が次々に結婚報告をしてくることに焦りを感じていた私は、友人の勧めもあって婚活パーティーに参加してみることに。
合コンよりも、結婚を前提とした出会いであることに魅力を感じました。
元カレからまだ結婚するつもりはないと言われたのが別れのきっかけでもあったので、早く結婚して見返してやりたいという気持ちも大きかったのだと思います。
初めての婚活パーティーでしたが、会場が大きなホテルだし、身元確認もちゃんといているということだったので、社会見学のつもりで参加してみました。

ステキな人との出会い

初めてのことだし、今回は様子見で…とあまり期待していなかったのですが、そこですごくステキな人と出会ってしまいました。
彼からのアプローチがすごくて、自分のことをこんなに求めてくれる人がいることに感激したし、彼は優しくて、背が高くイケメンで、私はすっかり夢中に。
何度もデートを重ねるうちに、こんな人と結婚できたらなぁ…と強く願うようになりました。
彼は、土日も仕事があるということで、会えるのは平日の夜のみ。デートは一人暮らしをしている私の家や、近所の飲食店。
彼のことを信用しきっていた私は、そのことになんの疑いも持ちませんでした。

電話に出た彼は・・

しかし、仕事がある、と聞いていた日の夕方。ちょっとした用事があって彼に電話をしました。
電話に出た彼は「今、電車の中だから、後からかけ直すね」と言ってくれたのですが、そのとき電話越しに聞こえてきた車内のアナウンスが、彼から聞いていた職場や家とは全く違う駅名だったのです。
恋人には隠し事はして欲しくないタイプなので、彼の予定はいつも把握しているつもりになっていた私は、いったいどういうことなのか、と折り返しの電話をくれた彼を問い詰めました。
彼はひどくうろたえた様子で「今夜、部屋に行くから。そのとき全てを話す」と言って早々に電話を切ってしまいました。
そしてその日の深夜。憔悴した様子で現れた彼は、いきなり私に土下座しました。

恋愛依存症

「ごめん、実は結婚している。子供もいる。でも、離婚の話は進んでるので、これまで通りつきあっていきたい。別れるなんて言わないで…」
そう涙ながらに謝られてしまい、私は何も言えなくなってしまいました。
既婚者だったということや、騙されたということがショックだったのは間違いないのですが、それよりも目の前で小さくなってしまっている彼のことを愛おしく思う気持ちの方が大きかったのです。
彼の話では、もう離婚は決定事項。まだ子供が小さいので話が難航しているだけで、時間の問題。奥さんとはデキ婚で初めから愛なんてなかったと。
普通ならこんな話、信用できないと怒り狂うと思いますが、この頃の私は若干恋愛依存症気味で、もう彼がいなければ生きていけないと思い詰めていました。

友達と決別

友達に相談すると、すぐに別れた方が良い。婚活パーティーにくる既婚者なんて信用したらだめだと何度も言われました。
しかし、私が縁を切ったのはその友人の方でした。
友人が言っていることが正論だと言うことは勿論わかっていましたが、彼には彼の事情もあるし、すべて一般論に当てはめるのは違うと感じたからです。
不倫から始まる本当の愛だって存在するんだと、この頃の私は本気で信じていました。
けれど、離婚話の進展のないまま、3ヶ月がすぎ、私自身も焦りだした頃、郵便受けに封筒が入れられていました。
差し出し人は、彼の奥さん。

200万円と妊娠

封筒の中には不倫の証拠写真と、離婚の原因が私にあるということで200万円の慰謝料を請求すると書かれた紙が入っていました。
それを見た瞬間、頭の中が真っ白になりました。
彼の自宅とうちは路線も違うし、離れていたので、彼も私も絶対にバレることはないと、高をくくっていました。
どうやら奥さんが探偵を雇ったようなのです。
そこまでするとは思っていなかった自分たちの甘さを痛感しました。
そして、そのころ、私の妊娠も発覚。
私の両親はとても厳しい人で、不倫で妊娠したと言い出す勇気はありません。
仕事も大手企業に勤めており、そこをやめて一人で育てることもできない、と判断。

涙の決断

彼に堕胎する、と伝えると、反応はひどくあっさりとしたものでした。実は産んで欲しいと懇願されるのではないかと思っていたのです。
そんな彼の反応に、私もやっと正気に戻り、彼と別れることができました。
奥さんには、行政書士のかたに間に入ってもらい、始まりは騙されたということ、反省していることや、現在別れていることなどを伝えて貰い、慰謝料は40万ほどまで減額して貰えました。
堕胎手術は本当につらく、自分の愚かさに涙が出ました。

大切なもの

現在は、なんとか立ち直り、地元を離れ、その後出会った人と結婚。息子を一人もうけました。
絶縁していた友達とも仲直りをして結婚式にも出席してもらえました。
友人に堕胎したということを伝えると、涙を流して悲しんでくれました。
あの頃の自分には本当に大切なものが何なのか、全然見えていなかったのだと思います。
今は家族や自分の周りの人たちを大切にしながら平穏な日々を送っています。